『英文標準問題精講新装改訂版 [ 原仙作 ]』

この英文標準問題精講、

旺文社から出ている黄色い表紙の英文解釈系の参考書です。

(基礎英文標準問題精講の上位版です。ちなみに、基礎英文標準問題精講は「基礎」と

 銘打っていますが、レベル的には千葉大レベルに対して貯金がくるレベルです。

 基礎という割には難しめです)

 

これ、英文解釈系において、私の中では最高峰のシリーズです。

で、この参考書の扱い方をまとめてみました。

 

この参考書、レベルは非常に高いです。

さらに、良くも悪くも、解説はあまり書かれておらず、

結果しか記されていない作りになります。

 

ですので、この参考書をやってみたいと思う人は、

ターゲット1900、ネクステ、基礎英文問題精講などの

単語・文法・英文解釈が一通り終わってから取り組まないと、

訳が分からないになります。

 

英文標準問題精講を完璧に吸収しきるには結構な時間がかかるはずです。

他の科目も勉強しないとならないため、

この参考書をスタートさせるには、高3の4月からスタートさせないと

2周目以降が詰まってしまいます・・・。

 

ということは、

ターゲット1900、ネクステ、基礎英文問題精講は高2の終わりごろまでに

終わらせておく必要があります。

もちろん終わらせるというのは、1周したという意味ではなく、

定着させたという意味です。

 

で、高2の終わりごろまでにこれらの単語帳・参考書を終えられる人は、

大体は最上位の大学を目指すはずです。

 

さて、このレベルの大学を目指す人が、そして高2の終わりごろまでに

英文標準問題精講に入れるレベルの人が、

全員この参考書に手を出していいかというと、私の答えは否です。

 

以下はこの参考書についての私の所感になります。

(1)まず前提として、この英文標準問題精講、作者は文学者であり、

 内容も文学中心の作りになっています。ですので、小説があまり出題されない

 大学を第一志望にしている場合、取り組まなくてもいいかと思います。

 また、理系の生徒も取り組まなくていいかと思います。理系の生徒は英語に負荷を

 かけるなら、数理に時間を掛けましょう。(2)以下は、文系の生徒に対してになりま

 す。

(2)東大・京大・一橋

 これらの大学を第一志望にしているなら、やってもいいかと思います。

 小説チックな文体の文章は出題されますし、大学のレベル的にはやっても損はありま

 せん。

(3)旧帝大

 文学部や外国語学部を志望している人なら、やってもいいかも。

 入学してからも必要になってきますし、そもそも文学部や外国語学部を目指す生徒は

 英語(特に人文系)がお好きでしょうから、人によっては楽しみながら進められるか

 も。上記の学部以外の生徒にとっては好みが分かれるでしょうから、

 合わなければ手に取らなくて大丈夫です。

(4)早慶上智

 慶應の文学部を第一志望にしている人はやってもいいかと思います。

 慶應の文学部は国立型の出題形式をしている上、出題される文章は人文科学の内容で

 す(絶対です)。ですので、英文標準問題精講は結構マッチしています。

 

 で、慶應の文学部以外を第一志望にしている人は、合わなければ置いておきましょ

 う。いくらこの参考書が難しいとはいえど、あるいは、たとえ早稲田(法)・慶應(法)

 が難しいといえど、両者は方向性が全く違います。

 早稲田(法)や慶應(法)、あるいは慶應(SFC)の難しさは、

 この参考書でというよりは英検準1級の単語でカバーしたほうが、点数は伸びます。

(5)東京外国語大学

 正直、東京外国語大学といっても、難しさの質が違います。

 東京外国語大学の入試問題の作りは長文とリスニングですが、

 読解問題は意外とオーソドックスです。一般的な参考書で問題なくカバーできます。

 東京外国語大学の鬼門はとにかくリスニングです。

 イメージ的に、長文がそのままリスニングで流れてくる感じです。

 内容・分量共に、ホントに長文が音声で流れてくるイメージです。

 とはいえ、東京外国語大学を目指す生徒は英語(人文系)が好きでしょうから、

 合いそうなら使ってもいいかと思います。

 

こんな感じです。

興味がある方はどうぞ手にお取りください。