過去問を解いてます(慶應)

【赤本の注意点】←前提として

赤本は基本的には実力養成のための代物ではありません。

解答解説も一言で済まされていますので、

「実際に時間を測って解く」、「取れる問題を取って確実に合格ラインに達する」

などの技術的側面のため使用します。

過去問を解くことばかりに集中して今まで学習してきた問題集や参考書の復習を

疎かにすると、思っているよりも伸びが鈍化します。

 

それはさておき、以下では、

それぞれの大学・学部ごとの特徴をまとめました。

もちろん、私が解いた範囲の中でという条件付きですが。

 

慶應(SFC、2018~2022)

 正直、SFCを受験するなら、きちんと対策を練るべき。

 問題数に対して時間は充分あります。SFCは超長文と言われますが、

 その分、時間もたっぷりあります。なので問題によってはじっくり時間を掛けても

 大丈夫です。ただし、単語のレベルは難しいです。確かに現代文の力を使って

 推測で正解させる問題もありますが、あちこち推測だけで進めるには量が多いです。

 単語は知っているに越したことはありません。

 

 個人的な感想としては、準1級を持っているとやりやすいです。

 (準1級といっても全ては不要です。パス単の出る度AとBで大丈夫です。

 出る度Cと熟語はいらない)

 

 SFCを第一志望にするなら、準1級を取得しておきたいというのはあります。

 

 市販の参考書で突撃するなら、東大受験生が使う「鉄壁」は必須です。

 太字になっていない小さく書かれていることも全部暗記しきったなら、

 戦える状態に持っていけます。

 

慶應(商、2018~2022)

 早慶上智の中で、問題のレベルは一番簡単です(英語だけではなく、全科目)

 難問はあまりなく、オーソドックスなところで解けるものが多いです。

 その代わり、他の学部と比べてボーダーは上がります。75%前後は得点する必要があ

 ります。

 

 ホントに暗記ごり押し。ただし暗記の仕方は、ザ・私文って感じ。

 その単語の派生語を抑えているかや、スペルを正しく書けるかなどの問題が必ず

 出題されます。確かに現代文的な要素を使って安全圏へ行くための問題は何問かあり

 ますが(7割→7割5分,8割へ上げるための問題)、そこを抑えるまでの暗記中心の方が

 圧倒的にウエイトとしては大切になります。

 どんなにその1問を取ろうとも、暗記要素の問題が多すぎるため、そちらが不正確だ

 とボーダーには届きません。

 

 で、単語集などは市販の一般的なもので構いません。ターゲット1900やVintageなど

 で全く問題ありませんが、ページの隅っこにあるものまで覚えておきましょう。

 けれど、他学部と違ってコントロールはしやすいかと思います。

 

慶應(法、2014~2021)

 看板学部なだけあって、難易度は非常に高いです。単語のレベルも高いですし、

 熟語も慣用句やことわざなど、市販の参考書を超える問題が多々あります。

 

 ただし、英検準1級は必ずしも必要だとは思いません。確かに持っていたほうが読み

 やすくはなりますが、決定打はそこではないように感じます。

 

 (1) アクセント・語彙・誤文訂正

  ボーダーギリギリを取れば差は付けられずに済みます。

  合格最低ラインはおおよそ62~63%なので、そこまで達していれば大丈夫です。

  7割取れれば結構安全です。というのも、取れない問題は受験生全員取れないで

  す。

  ただし、6割は確実に仕留めましょう。その6割は、市販の参考書で制御可能です。

  特に、VintageやScrambleのような文法書の最後の方の章の、「単語・語彙」・ 

  「会話表現」・「アクセント・発音」のセクションは絶対に完璧にしましょう。

  ここを全部丸暗記しきれば、慶應法学部といえど、6割に届きます。

 

 (2)文脈推測問題

  難単語に下線が引かれ、その単語の意味を定義したものを選択肢から選ぶ問題が

  必ず1題出題されます。この設問、単語の意味を知っているかどうかより、

  現代文の力を使って追い込ませたいという大学側の意図が感じられます。

 

  また、下線が引かれている単語は品詞はばらばらで、選択肢もきちんと読めば、

  どの品詞についての説明かが掴めます。名詞を説明している選択肢なら名詞で止ま

  っていますし。

  

  設問が10問に対して選択肢も10個ですが、品詞を固定すれば、3択~4択の中から

  選ぶことになります。やたらと10個全てをやみくもに比較するわけではありませ

  ん。

 

  更に技術的な側面を言うと、10個の設問に対して10個の選択肢なので、

  1つ間違えると自動的にもう一つ間違えていることになります。

  ですので、迷ったら置いておいて、先を読み進め、確実に取れるところから

  答えていく。その上で残っている選択肢同士の吟味というように、消去法は

  ふんだんに使いましょう。

  単語のレベルが高い分、そのような技術的な側面でのアプローチができる仕様には

  なっています。

 

  何年分か解いて慣れてくると、10問中7問はコントロールが効くかと思います。

 

  2014年度は非常に簡単です。2015年度のものは結構難しく、

  文脈推測のコントロールがあまり効かない感じです(それでも回答するしかないので

  すが・・・)。

 

 (3) 長文問題

  パラグラフごとの要約を選んでいく形式。段落を跨ぐことはほとんどありません。

  時間をかければ8割くらいはとけますので、読むスピードを上げるという

  他の大学でも必要なことを学習していけばいいです。

  ただし、文章の内容はあらゆるジャンルの社会的な議題が出題されますので、

  普段から新聞やネット記事でアンテナを張っておくことを推奨します。

  ←この辺は他の大学や小論文とアプローチは同じかと思います。

 

 で、使う単語帳は受験生が使うもので構いませんが(準1級やビジネスマン向けの単語

 帳は特に必要ありませんが)、受験生が使うものの中の最高峰の単語帳は使いましょ

 う。できれば東大を目指す生徒のバイブルである鉄壁を推奨します。

 もちろん、鉄壁の中の派生語や、小さな文字で書かれている箇所も含めて学習が

 必要です。

 

④看護(2017年~2023年)

 慶應の中ではやりやすいです。

 文法や単語問題は標準です。どんなに難しい年でも、7割は維持したいところです。

 

 ファイナル英文法(標準)とVIntage(ネクステでも可)があれば全く問題ありません。

 

 ただし、長文は少し癖があります。単語レベルは標準なので、

 どちらかというと問題の傾向のような技術的な側面と、

 現代文的な要素の両方で攻める感じになります。

 

 大問ごとの目安も載せておきます。

 

 大問1

  文法問題。

  20問ありますが、16問はキープしたい。

  これは無理だろうというのが2問くらい。

  安全圏に行くためのものが1問。

  8割は維持したいところです。

 大問2

  空所補充(単語)。比較的簡単。10問中、8問はキープ。

 大問3

  空所補充(1文)。4問中、3問はキープ。

 大問4

  1文の整序。1文は2行~3行。

  この設問が看護特有のもの。

  並び替えた順番を全て答えさせるので、1か所間違えると全滅するかも。

  また、設問の答えさせ方も特徴的なので、慣れが必要。

  5問あるけど、ここでどれだけ取れるか。

  3問は抑えておきたいけど、もしかしたら2問正解になってしまうかも。

  要対策。

 大問5

  スペル問題。アルファベットがあらかじめ指定されており、文字を含む単語を

  日本語から当てる問題。

  20問あるうち、12問はおそらく維持できる。

  確かに言われればそうだけどさ~、っていうものが2~3問。

  その2~3問は、長文読解のRise②~③を徹底的に詰めておけばコントロール可能。

  ここで15/20を出せれば結構強い。

 

  もし他の大学の過去問で似たような問題の練習をしたいのであれば、

  中央大(法)の問3を推奨します。

  中央大(法)の問3は、年度によっては1文の中に与えられた文字から始まる単語を書

  かせたり、2文を与えられていて共通して入る単語を答えさせたりというスタイル

  ですが、多分慶應(看護)の対策に一番近いのは、私が知っている範囲の中ですが、

  中央大(法)の問3になります。

 

 大問6

  間違い探し(文脈的に。単語のみの間違い探し)。

  5問中、3問はキープ。4問正解できると強い。

 大問7

  並び替え。3問。長めの日本語から英語にする。

  で、並び替えた1文のうち、指定の空所に入る単語を答える問題。

  1文のうち、途中の一部は単語があらかじめ書かれている。

 

  確かに文が長い上、与えられている選択肢が「同じものを2度以上使ってもいい」

  「使わない選択肢もある」など、非常に紛らわしい作りになっていますが、

  あらかじめ書かれている単語の位置から、前後に入れる単語はある程度絞れます。

  正直、1文全てを復元しきることは難しいですが、

  あらかじめ書かれている単語の位置から入れる単語を固定していけば、

  「設問に答える分には支障はない」状態には持って行けます。

  全文を復元できなくても正解はします。

  この設問は、技術的に解いていったほうが効果的で、多少の割り切りは必要。

  けれど、3問中3問正解することも可能な範囲内です。

  2問は死守ですが、3問正解すると安全圏に行きます。

 

 ボーダーは62%くらいですが、英語が得意なら70%は欲しいところです。

 準1級を取得している生徒なら、70%~75%くらいの正解率は維持できるかと

 思います。

 

⑤経済(2019~2023)

 基本的には大問が5つになります。

 

 大問1~大問3

  長文問題。正直、レベルは易しめです(←これ、ホント)。

  ただし、以下のことには留意しましょう。

  おそらく合否を分けるのはこれらの注意点になると予想します(その他の設問や根拠は易しめなので、おそらく全員正解してきます)。

   ・選択肢が精巧なものがある。ストライクゾーンに入ってもど真ん中ではない。

    相対的にはこっちの方がいいかな、という選択肢の切り方が必要な問題がある。

    それゆえ、選択肢が4つあり、2つ目に良さそうなものがあっても、

    残りの2つも目を通しておく必要があります。

    どの問題がこのような作りをしているかは予想できないため、

    すべての設問ですべての選択肢に目を通す必要があります。

   ・設問がきちんと読む必要がある。

    基本的には穴埋め問題になりますが、1つの大問に1問は、

    「この段落で筆者はどういう判断をしているか」という問題があります。

    しかもこの手の問題、穴埋め問題のような体裁をしているため、

    他の設問のように穴埋め問題だと思って選択肢とにらめっこしていると、

    時間のロスになります。

   ・1問だけ計算問題があります。英問英答ですが、実際には算数をすることになります。

   ・穴埋め問題の選択肢の熟語は、「そんな熟語はない」ということがごくたまにあります。

    ですので、見たことのない熟語があった場合、あまり深追いせず、

    正解だと確信が持てるものがあればそれを選びましょう。

   ・アクセント問題が必ず数問出ます。ネクステなどの文法書の最後の章のアクセントは覚えておきましょう。

 

  大問4~大問5

   英作文になります。こちらは考えがまとまったらまた加筆いたします。

   しばらくお待ちくださいませ。

 

慶應の英語の特徴

 早稲田と違って慶應の場合、暗記と現代文の力のどちらがより重要かと言えば、

 多分暗記かと思います。

 もちろん現代文の力も必要ですが、文章の流れをつなげて読んでいくというよりは、

 遮二無二単語を暗記したほうが早いケースが多い気がします。

 早稲田も暗記量は必要ですが、例えば早稲田(教育)の場合、文章の内容を問う設問

 が多いのに対し、慶應の場合はその難単語を知っているかどうかが要であることが

 多いです←文章を流れるように読むというよりは、とりあえず暗記したものを吐き出

 す感じ(商学部>経済学部>法学部=総合政策。文学部は毛並みが違うので除きます)。