慶應義塾大学 英検利用へ

慶應大学が2025年度より英検利用方式を導入するとのことで、

かなりビックりしています(現高1生より対象)。

 

で、対象学部は文学部。

合否に関わらず、スコアが2500以上だと、個別試験の代わりに英検を代用してくれま

す。

スコアの計算式はよくわかりませんが、2500というのは準1級を余裕で合格している

レベルにはなります(おおよそ75%~80%の正答率)。

ですので、非常にレベルは高く、安易に手を出すのは考えものかもしれません。

 

で、個人的な感想ですが、

慶應で英検利用を導入するなら、文学部ではなくて商学部だと思います。

 

慶應は学部ごとに問題の傾向がかなり異なり、学部併願をする際には要注意です。

けれど、本当にその学部に入学してほしい生徒のみを絞りたいという大学側の

意思が感じ取れ、私はそのことに対して誇りすら感じていました。

 

 法学部:メディアや政治についての長文が多い。

 商学部:問題量が非常に多い。ただ、商学部は経済学部と違って、

     理論よりも実践を重視します。現実の社会のスピードに対処するためには、

     入学段階でこのくらいの情報量の処理を受験生に求める。

     そのような意図だと感じています。

 文学部:スピードよりはじっくり思考型。辞書を持ち込み可なのは

     よりよい日本語を推敲するため。また、長文の題材は人文科学。

     文学部ならではの問題です。

 

英検は思考型というよりも、情報処理型の試験です。

(準1級を80%近く取るにはかなりの学習量と学力が必要なのは確かですが、

 文学部の方向性とは相反するはずです)

ですので、英検利用を導入するなら、商学部の方が適切だと感じます。

 

で、さらには、慶應が英検利用を導入することに、私はいささかのショックを隠し切れ

ません。

 

時代がどう揺れ動こうとも、共通テストや英検導入を拒み続け、伝統を守り続けてきた

慶應。学部ごとの個性を一律の金太郎飴のような試験で統一してしまう閉塞感。

 

なんだかなあという感じです。

ましてや、根拠のない邪推ですが、文科省からの圧力があったのなら、

文科省は大きなお世話だと申し上げたい。

 

個々の大学の入試問題は、大学に入ってからの学問への素養や耐性を測る機能を

兼ね備えています。

そこに口を出される筋合いはないはずです。

 

まあ、私の思うところはさておき、

英検準1級を活用できるのであれば最大限活用します。

 

generaladmissions2025.pdf (keio.ac.jp)

ちなみにHPの要綱です。