今回は東京外大です。
(2022年~2017年→前期
2022年、2019年→後期)
【前期】
東京外大の前期は、筆記、リスニング、スピーキングの3部構成です。
で、筆記は意外とノーマルです。
段落の順番と設問の流れが一致していて、下線部が出てきた都度、
設問を解いていけば解ける仕様になっています。
単語のレベルも市販の参考書(を隅々まで覚えきる必要はありますが)で
コントロール可能です。
解答は抜き出す箇所を見つけたら基本的にはそこを和訳で問題ありません。
説明しなさいという設問の指示でも、変に自分の言葉を足さなくても、
和訳ベースで全く構いません。
抜き出す箇所が2か所、3カ所あって、それらをつなげて答える必要がある場合も
多いですが、その際は必要に応じて繋ぎ言葉を入れていけばいいだけです。
で、筆記は思ったよりもスタンダードですが、リスニング対策が骨が折れます
正直、本当に外大に行きたいのであれば、リスニングを固めているかどうかで
合否が決まると言っても過言ではありません。
外大のリスニングはヘビーです。
筆記の長文をそのまま音声で流している感じです。
外大の長文は意外とノーマルと言いましたが、
そのレベルの長文がリスニングとして流れてきます。
しかも、かなりの分量が一度に流れてきます。
外大志望の生徒が筆記で苦労するとは思えず(そこで苦労するなら外大は受からないでし
ょ)、いかにリスニングを完成させておくかにかかってくるでしょう。
また、スピーキングもありますので、その対策も必要です。
だた、外大のスピーキングは、個人的な所感としては、英検準1級に毛が生えたくらい
だと思います。口を動かす練習(要するに発声練習)をしておけば大丈夫でしょう。
←発声面ではなく内容面に問題があるのであれば、おそらくは外大は厳しいでしょ
う・・・。
で、さらには、外大は英語ができて当たり前です。
英語(あるいは多言語も含めて語学)に興味がない人は集まりません。
全員英語は好きでしょうから、リスニング・スピーキングも固まっていて当然という
テンションでなければ合格は遠くなります。
それ故、2次試験は英語(300点)と社会(100点)ですが、
配点の低い社会がカギを握っていたりします。
配点があまり高くないからと、2次試験の社会を侮っていると落ちます。
(繰り返しますが、外大の性質上、英語は皆、固めています)
★2020年度~2017年度の筆記は、結構汎用性の高い内容になっています。
千葉大・明治(国際日本)の上位交換って感じです。
この3年分は、問題集代わりになるかと思います。
問題集はその性質上、あまりマニアックではなく、どの大学のどの年度でも見かける
確率の高い問題を集めているはずです。
その意味では、Rise③④もやり込めば難しい単語も再現性があります。
実際に、この4年分の長文の中に、RIse③④の中で出てきた単語(単語帳にはなさそう
な単語)をいくつか見かけました。
この4年分は、国立志望・私立志望問わず、解かせて解説してもいいかもしれませ
ん。
【後期】(2022年~2019年)
後期は大問1つで、その中に設問が4つあります。
科目としては小論文と銘打たれています。
設問1~設問3が英語、設問4が小論文になります。
〈2021年、2021年〉
問1~問3はオーソドックスです。
100字~150字の論述ですが、該当箇所さえ見つかれば、そこを和訳する感じになりま
す。
大問4はいわゆる小論文。
日本語で600字くらいで記述します。
方向性は慶應法学部の論述に近く、分量は慶應法学部の半分くらいになります。
ちなみにですが、
2022年の後期の問題は、人種についての文章でした。
黒人男性であるジョージフロイドさんが白人警官に取り押さえられて死亡した
痛ましい事件についての内容です。
<2020年、2019年>
パッと見た感じ、2018年も同じことが言えるかもしれませんが、
大問1~大問3も、大問4と同じで小論文です。
設問は英語の体で出題されていますが、
語学面で答えを作るのは不可能で、実質的に、その時代の背景を知っている前提で、
解答に言葉を足していく感じになります。
英語が好きだから、得意だからという理由で、
私立文系の生徒が後期を狙いに行った場合、おそらく沈みます。
やはり、東京外国語大学に入ってからどんなことを勉強するのかを調べておく必要が
ありますし、その内容を本当に勉強したいと望む学生に大学側が来て欲しい、というメ
ッセージを感じ取ることができます。
繰り返しますが、語学だけでコントロールが効きません。
★たまたま、2022年と2021年が語学だけで解答作成が可能な作りになっていたのかも
しれません。この傾向が続くのか、来年度の入試は2020年以前のように、
小論文テイストになるのか。
こればかりは来年入試を迎えてみるしかないですが・・・。
|