過去問を解いてます(神戸大)

神戸大(2023年~2016年)の考察になります。

ご参考までに。

★2020年度は問題の構成が少し違います。

 →問題のレベルは他年度と変わりません。

 

①全体

 大問が4つあり、最初の2つが論説文、3つ目が小説(会話文ベース)、4つ目が英作文

 の4部構成になります。

 

②論説文

 (1)和訳や説明問題は他の国公立と変わりませんが、○○字以内という文字数指定があ

  る場合、若干注意です。神戸大の文字数指定も説明問題は、単純な構造訳や直訳だ

  と、文字数が微妙にオーバーする傾向があります。ホントに微妙な文字数が超過し

  ます。ですので、神戸大特有の傾向として、このタイプの設問は練習しておくこと

  を推奨します(もちろん、通常の構造訳が問題ないレベルにいることが前提です

  が)。

 

  指定字数内に収める方法としては、

   ・現代文の語彙力を使って臨機応変に短くて的確な言葉を選ぶ。

   ・もう少し端的にまとまっている箇所を探して、そちらを和訳。

  こんな感じになるかと思います。

 

 (2)大問が2つありますが、1つは必ず理系の内容の文章が出されます。

  環境問題、生物系が比較的多いですが、必ず1つは理系の内容が出題され、

  場合によっては2つとも理系の内容の年もあります。

 

  ですので、文系の生徒は、そのあたりのテーマの文章を読み慣れておく必要が

  あります。日本語の新聞記事を毎日1つ読む、という習慣も相乗効果が期待できる

  かと思います。

 

 (3)設問のレベルは比較的スタンダードですが、制限時間にあまり余裕がありません。

  やたらめったら読み進めて精度が落ちる速読は論外ですが、

  精度を保って内容把握をしていけるだけの速読力は必要です。

 

  また、論説文であまり時間を費やし過ぎないことも念頭に置いたほうがよいです。

 

  後述しますが、私は大問3の小説を攻略できるかが合否の境目だと判断していま

  す。

 

③小説

  神戸大の小説というより、小説文そのものの特徴になりますが、

  小説は内容理解に時間が掛かる傾向があります。

  仮に小説がサクサクと読み進められる人は、文学部系のお進みください(笑)。

 

  神戸大の小説は単語はあまり難しいものは混じっていませんが、

  そもそも小説文の特徴として、やたらカンマが多いなどの文体的な特徴もあります

  し、会話文だと指示語が多くなりますので、その指示語が何を指すのか、

  つぶさに追っておく必要があります。

 

  this や it が何を指しているのか確実に把握しておかないと、

  内容理解には届きません。表面的に逐語訳で「あれ」、「それ」と日本語に

  置き換えても、何を意味しているかの内容理解に到達するのは非常に厳しいものが

  あります。「発話者がいる場所」「登場人物」「誰から誰への発言か」は絶対に

  押さえておく必要があります。この3つを外すと、仮に全ての単語を辞書で調べ

  て知らない単語がない状態になったとしても、内容理解は絶対に不可能です。

 

  ですので、神戸大に合格したければ、論説文の問題は安定して得点できる上で、

  どれだけ小説に時間を掛けられるかが合否の分かれ目だと判断します。

 

  論説文に時間が掛かってしまい、小説に時間を掛けられない場合、

  そもそもの英語力がまだ足りていない可能性があります。

④英作文

  40字と60字の英作文の計2題。毎年比較的型が決まっていますので、

  反復練習をして、自分の型を決めてしまうといいかと思います。

  慣れてくると、15分くらいで終えられます。

  大問4つで80分の試験ですので、均等分割すると大問1つに20分。

  英作文が15分で終われば、小説に25分かけられます。

 

 奇妙な単語は比較的少ないですので、神戸大の過去問に入るまでの学習は、

 通常の市販の参考書で問題ありません(ターゲット1900、Vintage、Rise③など)。

 

 ★英語が得点源になりそうな、筑波大・千葉大志望の生徒には、

  多少の高地トレーニングとして神戸大を使うのもありかと思います。

 ★神戸大が第一志望の場合、「神戸大の英語15か年」をやっておくことを推奨しま

  す。神戸大の過去問をやっていると、同じ年度の中に難単語が繰り返し登場しま

  す。また、その難単語が年度を跨いで見かけることもあります。

  ですので、誰も知らないような難単語はあまり深追いしないことが賢明ですが、

  神戸大の場合、ある程度は深追いしたほうが良いかと感じます。

 ★古いものに遡って解いていますが、昔の問題は現在のものよりおしなべて簡単で

  す。最新になるほど難しくなってきます(設問の形式はさほど変わりません。文章

  のテーマや単語の細かさが難しい、という意味です)。

 ★文章によっては知らなくてもいい単語は存在しますが、ものによっては参考書のよ

  うに汎用的(?←多少難しい単語でも、マニアックではないので覚えておくと、最難

  関大ならそのうち出くわすかも、という意味)な文章もあります。

  (そのような文章はこちら側が選定する必要がありますが)選定さえ的確に行えれ

  ば、旧帝大早慶上智以上を目指す生徒には、授業で扱ってもいいかと思います。

  あるいは、高2生の上位にやらせても使い勝手があります(時期的には、高2の3学期

  ~高3の夏休み終了時まで授業でやり続ければ、高3の2学期以降に旧帝大早慶

  智の学習にスムーズに接続できるかと思います)。

 

こんな感じになります。