英語(国際)系の大学・学部志望の人(国立大)

生徒と話していると、

大学では英語をやりたい、国際関係の仕事に就きたいという希望を口にする生徒は

沢山います。

 

だから東京外国語大学を志望する、という生徒が結構います。

また、そのような生徒は、数学が苦手であるケースが少なくない感じがします。

(私の周りにそういう生徒が集まっている可能性は否めないですが)

 

今回は受験指導的な観点から、東京外国語大学、あるいは国際系の大学・学部を志望す

る際の注意点を書きたいと思います。

 

(1)東京外国語大学

 東外大は国立なので「共通テスト+個別試験」ですが、

 共通テストに理科は必要ありません(正確には、地歴・公民・理科から2科目選択)。

 で、通常の国立は社会2科目と理科1科目(あるいは理科基礎2科目)が必要です。

 

 なので、東京外大を第一志望にしたら、他の大学に志望を変更することは

 基本的には不可能ということを認識してもらう必要があります。

 本番の共通テストの結果が思うようにいかなかった場合、受験する国立のレベルを

 落とすという事例はよくありますが、東外大の場合は基本的にそれができません。

 

 可能性が低くても東外大に行く以外に選択肢はないです。

 

 東外大が落ちたら、私立でいいという踏ん切りは持っておきましょう。

 あるいは、語学系の私立(上智やCU)よりかは、国立であることを優先したい場合に

 は、志望校から外す必要も、最悪出てくるかもしれません。

 

(2) 2次試験の科目に数学をどうするか

  語学系の大学を目指す生徒は、数学が苦手なケースが多い感じがします。

 (私の周りがそうなだけかもしれませんが)

 

 数学を共通テストだけで使うか、それとも2次試験まで使うかは、

 かなり大きな選択になります。2次試験の数学の負荷は結構あります。

 

 で、科目だけで見るなら、2次試験に数学が必要のない国立大で最大レベルは

 大阪大(外国語、文)、北海道大(文)になります。

 他の旧帝大以上は、2次試験で数学が必要になります。

 

 国立大進学を優先し、語学系に進みたいなら、

 大阪大(外国語)を第一に据え、抑えとして千葉大(国際教養)あたりが

 無難では、という結論に達しました(生徒と)。

 

(3) 国際系

 志望が国際系という場合には、さらに1つ、注意点があります。

 国際といっても国際学という学問があるわけではありません。

 外国語と関わっているものを全て国際という一言でまとめているだけです。

 

 文系の学問分野は社会科学と人文科学の2つですが、

 大分毛並みは違います。そのことを認識しておかないと、大学に入ってから

 後悔します。特に人文科学はミクロで細分化しているので、合わないと感じた場合に

 修正が効きにくなります。

 

 ではどうすればいいかと言えば、大学のHPでその学部の必修科目を調べるのが

 一番早いです。「○○大学 ○○学部 シラバス」などとグーグルに入れればヒットしま

 す。このシラバスというのは大学生が実際に科目を登録する時に使用するものにな

 るので、これを確認するのが確実な手段になります。

 

 その中でも必修科目を見てみましょう。必修科目は単位を取得しないと卒業できな

 い、あるいは進級できないものになります。必修科目は「その学部・学科を卒業する

 なら、最低限これだけは勉強しておいてね」という大学側からのメッセージなので、

 それなりの量を履修されられます。その必修科目があまりにも自分が興味のない

 ものになると、正直、大学生活は面白くなくなるかと思います。

 義務でこなさなければならなくなり、精神的な圧迫感が大きくなります。

  

 なので、語学系・国際系志望で、科目的に2次試験に数学を使わない場合、

 大阪大(外国語学部)が最大射程になりますが、

 必修科目のうち、7割は人文科学です。社会科学・自然科学(理系のこと)も履修できま

 すが、大半は人文科学です(←私もHPで調べました)。

 

 千葉大(国際教養)は人文科学・社会科学・自然科学の授業がバランスよく設置されて

 いました。

 

 東京外国語大学は学部が「言語文化学部」「国際社会学部」に分かれています。

 総合大学で、経済学部にするか文学部にするかを考えるのとあまり変わらないかと思

 います。

 

【まとめ】

 同じ国立大学でも受験科目がバラバラですし、

 入ってからの必修科目も千差万別です。

 

 英語をやりたい、国立に行きたいという場合には、

 何が何でも国立なのか、もしそうなら、受験校をどこにするか。

 また、受験科目を優先して大学を探すなら、その大学・学部での学問内容の

 メニューが自分にとって適切なのか。

 

 じっくりと時間を掛けて思案していきましょう。