『消費税減税 ニッポン復活論』(藤井聡)

この人、いわゆるMMT理論の人です。

この理論、リフレ派と似ている部分があるので混同されがちですが、

MMT理論は数式らしい数式がないので、

半分くらいにして聞いていればいいかと思います。

 

この著者、

大阪都構想に反対の論陣を張ってメディアに出ていたので

あまり好きではないですし、

財政政策については理解はありますが金融政策の効力を過小評価しているので、

全てを信じるわけにはいきません。

 

けれど、

消費税減税をはじめとする財政政策についてはスタンダードな内容になるので、

大型補正予算や減税に対する論陣については、

歩調を合わせて共闘することが可能かと思います。

 

消費税増税がいかに日本経済にダメージを与えたかは

グラフを用いて説明しているので、

この書籍は一読していいかと思います。

 

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『ロシア・ウクライナ危機 プーチンは日露関係と世界をどう変えたか』(池上彰)

池上彰の新刊です。

今日は趣を変えて投稿してみます。

 

ロシアの政治には

アネクドートという政治風刺があります。

このアネクドート

表立って真意を悟られないように裏に意図を込める風刺手法ですが、

頭の体操になります。

(→正直、英検準1級の英作文対策の導入編として利用できないか思案中です(笑))

 

さて、アネクドートを2つ、紹介します。

① 

 アメリカ:うちの国には言論の自由がある。

      「アメリカの大統領は馬鹿だ」と言っても逮捕されない。

 ロシア:うちの国にも言論の自由はある。

     「アメリカの大統領は馬鹿だ」と言っても逮捕されない。

 100年前のロシアの有名人はラスプーチン

 現在のロシアの有名人はプーチン

 100年後はおそらくチン(陳)。

 →「現在のロシアは弱体化している。一方の中国は成長著しい。

   なので100年後にはロシアは中国に飲み込まれているだろう」という意味。

 

 

岸田総理の経済政策

どうしてもこの人の経済政策には疑問符が付くんですよね・・・。

 

財務省の傀儡で経済政策をしているのか、

あるいは、そもそもこの人が経済の仕組みをわかっていないのか。

はたまた、「検討使」と呼ばれるように、検討して終わり(つまりは何も決めない)なの

か(←これはご本人の性格的なものもあるかと思いますが・・・)。

 

①住民非課税世帯給付金

 「住民税非課税世帯支給」11月にもスタート 続出する「税金免除の人が得する」の声で露呈した不人気政策ぶり(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース

 規模が少ない。値上げの影響を受けているのは全員そう。

 この世帯への給付金は経済政策というより生活保護制度。

 →生活保護制度も必要なので、この支援もしつつ、同時に経済対策でとして

  全国民に10万円給付が必要。

②新しい資本主義

 「中身に乏しく、期待外れ」...「日本に投資を」岸田首相「トップセールス」に失敗した裏事情: J-CAST 会社ウォッチ【全文表示】

 どちらかというと社会主義に近い。世界の金融業界に呼びかけを行ったが、

 具体策がなく失望をかった。抽象的な理念が多く、具体的に経済がどういうメカニ

 ムになっているか理解していないを疑わざるを得ない。

 アベノミクスと違って振り向いてもらえないのも致し方ない。

 

★ついでに

 菅前首相が見直されています。理由は国葬でのスピーチ。

 正直、こういう形での見直され方や世論はちょっと・・・、と思います。

 菅前首相、岸田さんとは違って短期間でしたが成果はありました。

 →コロナワクチンの確保や携帯料金の値下げなど。

 

 岸田さんの実績と比べて菅前首相の力量を評価する記事も目にしました。

 →こちらは賛成。主観ではなく、あくまでも客観的な指標で評価するのは賛成。

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『奇跡の社会科学(中野剛志著)』(PHP新書)

普段はこの人の書籍は読まないのですが、

社会科学の古典のダイジェストとして、読んでみました。

 

正直、この人の認識には賛同しかねる箇所は何カ所かありますが、

この人自身、古典をきちんと読んでいて、

自分の都合のいい解釈はせず、書いてあることを正確に読み込んでいると感じます。

 

そのため、古典のダイジェストとしては便利です。

 

マックスウェーバーの官僚制についての認識は、現在にも通底します。

 

官僚制は効率や合理性を重んじます。

例えば10万円給付。

日本の全国民に一斉に同じオペレーションをかけられたがいい例です。

 

にも関わらず、

「官僚的な発想」というと、

 ・前例にとらわれていて新しいことをしない

 ・融通が利かない

などの否定的なイメージを持つことが多いのはなぜか。

 

そこで出てくるのがマートンの「逆機能」。

 

「手段であるはずのオペレーションが目的化するから融通が利かなくなる」

というものです。

 

日々の日常で感じていることを

100年前に理論化して世に問うているところを見ると、

古典の名著の中には現代にも通ずるものがあると認識します。

(もちろん間違っていることもありますが)

 

古典をダイジェストした新書はいくつも存在しますが、

正確な理解をしている著者として、私はこの人を挙げます。

 

 


 

ウクライナ侵攻になぜか理解を示す人たち

ロシアがウクライナに進行して半年以上経ちました。

その間、世界各国で非難決議がなされていますが、

日本では一定数、ロシアを擁護する政治家がいます。

 

思想の自由がありますのでもちろんそれも自由ですが、

少々、理解に苦しむ場面も見受けられます。

 

ロシアではなくむしろウクライナを非難する人たちがどういう思考回路をしているの

か、正直、意味が分かりません。

 

維新の会の鈴木宗男を私は批判したい。

 

最近の鈴木宗男に関する記事で、

太平洋戦争時の日本になぞらえて、「無理に戦争を続けて長引かせたせいで東京大空

襲や原爆投下につながった。もっと早く降伏していればそのような大惨事は避けられた

はずだ」というような主張があったそうな。

 

コメントするのもバカバカしいですが、一応、反論しておきます。

太平洋戦争は日本から仕掛けたものです。

で、ウクライナは正当な理由なく、国家の主権を蹂躙されている立場です。

勝手に侵攻してきた相手に降伏するのは、主権の放棄以外の何物でもありません。

 

180度、立場が異なります。

 

仮に中国や韓国が日本に攻め込んできた時、そのような政治家は、

中国や韓国に無条件降伏するのですか?

勝手に攻め込んできた相手に無条件降伏したら、

それこそ、講和条約は相手に話を持って行かれます。

 

そのことを理解した上でロシアを擁護しているのでしょうか。

 

強いてそのような政治家を好意的に解釈するなら、

『非難一色に染まる中、「冷静である自分」「同調圧力に屈せず、一歩引いたところか

 ら観察できる自分」的な姿を世に示したい』くらいしかないでしょう。

 

本気でロシアを擁護しているなら、本当のアホです。

旧民主党の鳩山さんも、「ウクライナが虐殺をしている」という真偽不明の話を

ツイッターに上げて批判されていました。

 

どうしてこういうわけの分からない人が存在するのか。

その人たちの思考回路を調べてみたい。

 

何度も言いますが、ロシアに正当性はありません。

国際法や主権を完全に無視した暴挙にしか過ぎません。

「反資本主義が日本を滅ぼす」木村貴著 (コスミック出版)

全部を信じてはいけない本ですが、

一定の功績は認めるつもりです。

(後述しますが、全てを信じてしまうには危ない書籍です)

 

第3章の『経済がわからない言論人たち』の章は

あまりメディアが突っ込まない内容になっています。

 

日本で経済を語る言論人たちは、総じてマルクス主義者が多いです。

1960年代、大学で教えられる経済はマルクス経済学だったので、

その亡霊が日本の言論界にはびこっている、といった感じです。

 

マルクス経済学は社会主義です。

それゆえ、資本主義を否定します。

 

ただし、マルクス経済学を信奉する人たちは、

社会主義がうまくいかずに崩壊した事実をどのように眺めているのでしょうか。

社会主義はうまくいかなかったが、資本主義が行き詰まりを見えている以上、

見習う点もある」という論調も同じです。崩壊したシステムに見習う点などあるのでし

ょうか。

 

で、話をこの書籍に戻しますと、

経済学を数値や統計で語らず、観念論や哲学で語るマルクス主義に浸かっている言論人

に、池上彰佐藤優がいます。

 

この2人を批判する記事はほとんど見ません。

 

常々私は、日本の経済学に対する認識はズレていると感じており、

マルクス経済学は単なるイデオロギーにしかすぎない代物です。

 

資本主義や経済成長を否定するのは、経済が傾いても痛みを感じない安全地帯にいる人

たちだけです。

 

資本主義を否定したところで代替のシステムが今のところ存在しないので、

資本主義を否定するよりは、気長に付き合っていくしかないはずです。

 

池上彰佐藤優が統計や数学を駆使して経済を語っているところを見たことがないと

感じていました。そして、この両者に反論する記事も始めてみました。

 

その意味で、私はこの書籍を評価したいと思います。

 

ただし、第4章の「MMTとおかしな経済理論」は読まなくていいです。

この著者、デフレを悪とはみなしていないですし、リフレ派を危ないとまで言っていま

す。

デフレは底なし沼のようにスパイラルに陥る危険性がありますし、リフレ派は諸外国で

はスタンダードな上、アベノミクスで経済が上向いたのを見れば、危ないどころが普通

だと感じるはずです。

 

というわけで、この書籍、第3章だけ読むのなら、一定の意義があるかと思っていま

す(繰り返しますが、第4章は読まない方がよいです)。

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『あなたの給料が上がらない不都合な理由 』(上念司)

扶桑社から出版されている書籍です。

 

経済を分析する際、平均賃金を見ても意味はありません。

平均賃金が下がっているという事実でもって

アベノミクスを否定する人たちがいますが、

この書籍を読めば、なぜ平均賃金では経済を見誤るのか、スッキリします。

 

理由は以下の通りです。

 

ある会社が従業員一人で回していました。

その人の年収を1千万とします。

 

景気が良くなり、新卒を一人、採用することになりました。

新卒なので、年収を300万とします。

 

そうすると、平均賃金は、1000万と300万の平均で650万となります。

確かに1人で会社を回している時よりも平均賃金は350万ほど下がっていますが、

景気は良くなってはいないのでしょうか。

 

1人多く採用できるようになったのですから、景気は良いはずです。

 

ですので、景気が回復しているかどうかは、

平均ではなく、合計年収の1300万という分母の金額です。

この合計金額が、国単位だとGDPになります。

 

景気が回復し始めた時には、平均賃金は下がる傾向にあります。

このことを忘れてアベノミクスは失敗だとするのは早計なのです。

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