前々回、前回は英文解釈の効用について書きましたが、
今回は、復習の仕方も書きたいと思います。
英文解釈の復習の仕方は、
もう一度同じ英文を読んだ時に意味が取れるかももちろんそうですが、
語弊を恐れず言うと、
英文を一文、丸ごと暗記してしまいましょう。
暗記といっても、原理は社会科とは異なります。
英語を英語のまま読める(つまりは英語を日本語に直さなくてもそのまま頭に入ってく
る)というのは、自分にとってその英文は「This is a pen.」と同じレベルだということ
です。
This is a pen. くらいのものは、目を通せば頭の中で状況が思い描けるはずです。
ただし、中学生(あるいは小学生)の時に初めてこの英文を習ったときのことを思い出し
てみましょう。
・this:これ(近くのものを指す)/that:あれ(遠くのものを指す)
・is はbe動詞で、「=」を表す
・pen は1本2本と数えられる。数えられる名詞には「a」をつける
など、いくつも色々な文法を説明されたはずです。
(初めて英語に触れた場合、一つの文に2つ以上の説明が同時に行われることになります)
中学生あるいは小学生の時、「a」を抜かしては先生に修正されるという経験をお持ち
の方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
で、大人になった現在、「これはペンです」を英語に直せば、
過不足なく、This is a pen. と書けるはずです。
この文に関して、必要な項目を全て自分で把握しきっていることを意味します。
速読とは、「返り読みはしない」、あるいは「英語を英語のまま理解する」などと
説明されますが、それが可能な英文というのは、自分にとって 「This is a pen」のよう
な英文です。つまりは過不足なくその英文の構造や文法を説明できるということです。
過不足なく説明できるレベルを上げていくことが、
「英語を英語のまま理解する」ことができるレベルを上げるということなのではないで
しょうか。例えば、前回のブログで紹介した「入門英文問題精講」を全て過不足なく説
明できる人は、そのレベルの英文だったら直読直解で読み進められるはずです。
で、具体的に説明できるとは何を意味するか。
誤解を恐れずに述べるなら、英文そのものを暗記してしまいましょう。
ただし、暗記できるというのは、原理を抑えているからこそ成しえることです。
円周率を50桁まで暗記しなければならないとなると、ほとんどの人は不可能です。
理屈も原理もない無機質なものを50桁まで暗記し続けているなど、
それを趣味にしていない限りは現実的ではありません。
その英文の背後にある文法項目が掴めているからこそ、「この時にはこの項目を使うん
だったな」、「この文法事項はこの意図で必要だったな」などのツボが抑えられるので
はないでしょうか。
入門英文精講や学校の定期試験の例文が暗記できるのは、意識的にせよ無意識的にせ
よ、このことを意識しているからです。
その点で、英文の暗記は円周率の暗記とは決定的に異なります。
暗記した英文のレベルが高ければ高いほど、つまりは、自分でコントロールできる英文
の背後の項目のレベルが高ければ高いほど、直読直解が可能なレベルが高いということ
を意味します。
英語を速く読みたいと願うなら愚直に学習するしかないですが、
学習の仕方として、英文を暗記してしまうことも立派な学習なのです。
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