単語・熟語・文法を覚えても英文が読めないと感じる人へ

英単語や英熟語を覚えても英語がイマイチ読めている実感がないという相談を、

結構な人数の生徒からいただくことがあります。

 

学校の先生からは文法も大切と言われ、ネクステージのような文法書を進めている

生徒もいます。

もちろんネクステのような文法書は完成させる必要があります。

ただし、文法を覚えても英文と自分の間に隔たりがあると感じる場合、

英文解釈をやるだけで大きく向上します。

 

ネクステのような文法書は文法問題のための文法です。

一方、長文を読む上で必要な文法は、文法書の文法とは少し異なります。

正確に言うと、暗記事項は同じですが、「頭の働かせ方が違う」とでも

言いましょうか・・・。

 

長文を読む上で文構造を掴むには、「SVOに分けて大枠を掴む」と言われますが、

本当にそこにつきます。それ以上でもそれ以下でもなく、本当に5文型に分けるだけ

です。たったその一言のがいかに難しく、いかに大切なことか。

 

具体的に見ていきます(文法を英文解釈に昇華するにはという観点で)。

① 単語の後ろの S

 →名詞の複数形か動詞の三人称単数形のどちらか。

 →可能性は大体2つなので、仮に知らない単語が出てきた場合、

  両方の可能性を試せばいいのです。

 →構造的にどちらも成り立ちそうな場合、意味で判断するしかないのは確かです

  が・・。

②動詞の後ろの ed、不規則動詞だけど過去形と過去分詞形が同じもの

 →過去形か過去分詞形のどちらか

③ 動詞のing形 

 →分詞構文、現在進行形、動名詞、分詞の後置修飾のどれか。

 →4つあるけど、目印にできるものは前後にあるはずです。

  現在進行形ならその前に be動詞があるはずですし、

  分詞の後置修飾ならすぐ近くに名詞があるはずです。

  やたら当てはめるのではなく、ある程度アタリを付けてから和訳してみます。

 

などなど。

 

ネクステなどの文法書は、

 動名詞なら「こういう意味」「こういう形」、

 分詞の後置修飾なら「分詞の働き(文中では形容詞として働く)」「2語以上なら名詞の

 後ろから修飾」、

などのような説明がされているかと思います。

 

学んだ文法を長文の中で活かすには、

「この文法はこういう働きをする」ということも大切ですが、

こういう形の時にはこういう文法事項がこれだけある」というような感じで、

可能性のある文法事項を全て列挙できるかどうかも大切な要素となります。

 

横串を入れるとでも言いましょうか・・・。

 

で、さらにもう一つ。

返り読みはしていいです。

というか、返り読みをしないと辻褄が合わなくなります。

ある程度「こうだろう」と推測しながら読みますが

(その推測というのは、文法上、次に「この品詞が来る」という構造に根差したものにな

ります)、 辻褄が合わなくなったと感じたら、その箇所のところまでは全体の一部であ

り、もう少し大局的な構造をしている幕開けでもあります。

 

その箇所までが全体の一部なのか、それとも、その箇所そのものが全体を構成している

ものなのかは、更に後ろを読まない限りは分かるはずがありません

 

返り読みはご法度のような風潮がありますが、

(あるいは速読至上主義とでもいえばいいでしょうか)

返り読みはしていいですし、精読をするには必要不可欠です。

 

速読とは読んで字のごとく、早く読むということですが、

早く読んでも正確性が担保できるのは、精読(つまりは英文解釈)が固まっているからで

す。確実に正確な読みができるものを読む際のスピードが上がれば、それを速読と

呼びます。やたらめったら早く読むのとは過程が雲泥の差です。

正確に読める(精読できる)のが絶対条件であり、前提になります。

 

速読というのは、構造把握のプロセスを言語化しなくても自然と行える(つまりはそのプ

ロセスが無意識のレベルに沈んでいる)状態の事です。

難しい英文に出会ったら、必要な時だけ必要なプロセスを行えばいいだけです。

 

その上で、瞬時に理解できるレベル(直読直解ができるレベル)を上げていけばいいので

す。

 

なので、単語などを暗記はしているけどその先が見えないと悩んでいるのなら、

絶対に英文解釈を推奨します。

 

 

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