カミュの文学作品『ペスト』

新聞記事をみてびっくり。

 

コロナウイルスが蔓延し、いつ収束するかわからない中、

フランス文学者カミュの『ペスト』が売れているようです。

書店で売り切れが続出し、出版社も通常の7~8倍の注文を受けているとか。

 

閉鎖された環境下で伝染病の脅威と闘う登場人物の姿や、

後手に回る行政の対応を描いた場面に、

日本の現状を重ねて何かを感じているのでしょう。

 

やっぱり昨今のような非常事態には、

このような文学先品が読まれることが多いです。

 

リーマンショックの時には小林多喜二の『蟹工船』、

東日本大震災の時にはフランクルの『夜と霧』が非常に多く読まれています。

 

何か大きな絶望や壁にぶつかると自分自身に向き合わなざるを得なくなりますし、

そうした時の示唆は、似たような境地の人々(時代は問わず)の伝記やドキュメンタリー、あるいは文学作品に求めることになります。←人文科学の効用。

 

リーマンショック東日本大震災の時には関係者(派遣切りにあった人や被災者)を中心に読まれましたが、今回のコロナウイルスは日本全体に、そして立場や年齢に関係なく影響を及ぼしているので、カミュの『ペスト』はその時よりも多くの人に読まれることになるのではないでしょうか。

 

私も現在、『ペスト』を読み進めています。

確かに共感で切る部分が多いです。

 

興味がある人はぜひ手に取ってみてください~。