過去問を解いてます(早稲田・上智)

【赤本の注意点】←前提として

赤本は基本的には実力養成のための代物ではありません。

解答解説も一言で済まされていますので、

「実際に時間を測って解く」、「取れる問題を取って確実に合格ラインに達する」

などの技術的側面のため使用します。

過去問を解くことばかりに集中して今まで学習してきた問題集や参考書の復習を

疎かにすると、思っているよりも伸びが鈍化します。

 

それはさておき、以下では、

それぞれの大学・学部ごとの特徴をまとめました。

もちろん、私が解いた範囲の中でという条件付きですが。

 

上智(経営、2020年~2023年)

 比較的簡単。ネックがあるとすれば時間配分。大問1つにつき15分なので、

 国立型の学習に慣れている人(細部までこだわって熟読する人)は、

 多少分からないことがあっても、「設問に関係なければ放置する」胆力をつける。

 で、復習する時に、解答や和訳と照らし合わせて納得すればいいかと思います。

 

 ただし、クロスワードに単語を入れていく問題はちょっと対策が必要かも。

 この問題、長文があってその中から単語を抜かれており、しかもその単語の

 定義が英語でなされている。そのような状態で入れるべき単語を当てていく形式

 になります。

 似たような出題形式をするのは慶應(看護)。単語の意味が書かれていて、

 そこに単語を入れている問題です。上智(経済)も慶應(看護)も、入れるべき単語の

 文字数が指定されていて、単語の途中の文字が与えられている点で、

 出題形式が比較的似ていると言えます。

 上智のこのクロスワードの問題、慶應看護をやってみるのもありかと思います。

 

上智(外国語学部、2023年)

  小説が2題出題されます。最初の小説は比較的簡単で、2つ目の方が少し難しいで

  す。

上智(総合グローバル、2023年)

  単語は7割あっていれば良しとしましょう。全問正解は不可能です。

  記述問題が40字前後(毎年)ありますが、絶対の正解したい。

  合格する人は確実に正解するだろうという難易度。

  並び替え問題もできれば全問正解したい(時間は少々掛かるかもしれませんが)。

  総合グローバルの並び替え問題、慶應看護と似ています。

  受験するなら慶應看護の並び替えを練習するといいかと思います。

 

上智(文-英文学科、2021年~2023年)

  長文1題と英作文1題になります。英作文は、長文の内容を踏まえて、

  自分の意見を書かせたり、本文を要約させたりするもんだいです。

  意見論述なのか要約なのかは年によって異なります。

  また、文字数も50字の年もあれば、150字の年もあり、結構バラバラです。

 

  長文は長いだけで、そこまで難しくはありません。

  設問は少し解きにくいものがあるかも。 

  15問あって、全て選択式になります。多分、15問中12問は正解しないと厳しいかと

  思います。難易度的にはそれくらいになります。

 

  2023年の問11は、下線部の訳を聞いていますが、全体の趣旨を反映させないと

  正確には解答できず、ただし、慶應(文)に合格する人なら確実に正解することが

  予想される1問になります。

 

  英文の内容は、年々、人文科学の内容になっています。

   2021年:どこの大学でも出されそうなテーマ

   2022年:マルサス人口論に近い内容。もちろん人口論そのものではないです

       が、それを下敷きにしたような感じ。

   2023年:人文系と科学の歴史

       (←文学部チックな内容でした)

 

  ただし、設問は比較的容易で、8割正解は必須になってくるでしょうから、

  英作文の出来不出来が合格を左右するかと思います。

 

  100点中、多分配点を以下の通り、機械的に算出してみますと、

   選択肢:5点×15問=75点

   英作文:25点

  かと思います。

 

  選択肢は先述の通り、8割(つまりは12問)正解とすると、5×12=60点。

  英作文を25点中15点は奪取すると、合計で75点となります。

  難易度的にこの辺りがボーダーになると考えています。

  75%という数値は絶対値としては高めですが、難易度的にはこのくらいかなと。

 

  英作文のテーマ

   2021年:インターネットの長所と短所について200語程度。

       ←本文に絡めてとありますので、そこは踏まえて書きましょう。

   2022年:本文に書かれている「食について」の問題を小学生にもわかる内容で書きなさい(つまりは本文要約)。英語で120字くらい。

       ←「小学生にわかるように」は言葉の綾でしょう。

        あくまでも大学受験なので、上智大学に合格するレベルで書きましょう。

   2023年:人文科学は今の時代、どのように役に立っているか。

       英語で50字程度。

       ←ちなみに人文科学の存在意義は、ずいぶん前のブログ記事で作成した記憶があります。

  こちら:人文科学の存在意義とは? - 浅野の徒然日記 (hatenablog.com)

   

   全て英作文ですが、50字~200字と幅があり、どの年度も同じ配点かどうかは分かりませんが、

   英作文がカギを握るのは多分間違いないはずです。

 

   英作文は絶対に細かいミスをなくすべきです。

   上智を受験しに来ている生徒はある程度の学力はあります。

   ですので、おおよその構成やまとめ方は、他の大学で対策していることや、

   参考書で勉強してきたことで組み立てるはずです。

   ですので最後の一押し(差が付く箇所)といえば、(英作文全般に言えることですが)冠詞や単数形・複数形、時制などの細かい箇所のはずです。

   こればかりはミスをする生徒はミスをします。読んでわかることと自分で書けるというのは別の行為ですが、それらの行為にどれくらいのレベル差があるかは個人差が大きいです。

   記述模試で偏差値67出ている生徒でも、結構細かいエラーが多かったりします。

   英作文は模試の偏差値のみで判断するのではなく、実際に生徒本人に書かせることを推奨します。

 

⑤早稲田(教育、2018年~2022年)

 早稲田の教育は、早稲田の中では一番コントロールしやすいです。

 もちろん暗記だけでは太刀打ちできず、思考させる問題中心ですが、

 知識そのものは市販の参考書でほとんど網羅でき、そこから外れるものは放っておい

 て構わないです。コントロールすべきところをコントロールすれば、

 ボーダーは確実に超えます。「この問題を解けると安全圏に近づく」というのも

 何問かありますが、全て現代文要素が決定打になります。

 

両者とも、英検準1級までは不要に感じます。

(市販の単語帳を隅々まで覚える必要はありますが)