日本語と英語でズレている箇所を放置すると、
それが積もりに積もって訳が分からないとなってしまいます。
今回は単語のみになりますが、よくあるズレをまとめてみます。
(1)発音・アクセントのズレ
日本語でも違和感なく使われているカタカナの中には、
日本語と実際の英語の間にアクセントの位置が異なるものが多くあります。
ex:博物館→日本語だとミュージアム
英語だとミュージアム
経歴→日本語だとキャリア
英語だとキャリア
傍線部を引いたところが強く読むところです。
日本語と英語で意味に齟齬はなくても、アクセントの位置が微妙に異なるもの
があります。この辺をしっかりと押さえておかないと、リスニングに支障を
きたします。
(2)カタカナ語と実際の英語の意味の上でのズレ
smart
日本語:ほっそりとした、痩せている
英語:賢い
claim
日本語:苦情
英語:主張
日本語になまじ存在すると、「違う」ということを意識しておかないと日本語の
意味で考えることになります。
日本語で存在するがゆえに「この意味だ」と思っていると、
そもそも意味を調べようというインセンティブが働きません。
単語帳を持っているのなら、その単語帳を「カタカナ語と違う意味のものはどれか
な」という観点で、1冊読み返すしかないかと思われます。
→最近の単語帳は、ものによってはそのあたりを注意書きとして記載してくれてい
るものも結構あります。
(3) 和製英語
和製英語とは、「カタカナではあるけど、そもそも英語には存在しない」ものを
指します。
ホットケーキ:pancake
キーホルダー:key chain
このあたりも、学習者側の対策としては、(2)と同じになるかと思います。
これらのズレは、意外と面倒です。
ある研究によると、
学習内容を以下の3パターンに分けたとき、一番習得しにくいのは意外と真ん中の
内容とのこと。
(1) 日本語と英語が同じ
美しい花: a beautiful flower
語順は全く同じです。なので、単語を覚えさえすれば、日本語をその暗記物と
機械的に置き換えればいいので、社会の一問一答と要領は同じです。
このエリアが一番習得しやすいものになります。
(2)日本語と英語で重なる部分もあれば、異なるところもある
文法でいうと時制の箇所がその一例です。
日本語で現在形というと、現在の事だけを指します。
英語の現在形は、日本語より射程が広く、現在の他にも、不変の真理も表したり
します。不変の真理とは「この先も同じである」ことを意味するので、
未来のことも内包します。
実は学習者が習得に時間が掛かるのは、このエリアとのこと。
初めて習うことを暗記するのは(1)と変わらないですが、
どこまで日本語で考えていいかの線引きもしないといけないため、
2重の負荷がかかるそうです。
(3) 日本語には全くない文法事項
関係代名詞や関係副詞がこれに当たります。
一般的な感覚だとこのエリアが一番習得が難しそうに感じそうですが、
(2)よりも習得に時間が掛からないらしい。
理由は意外と単純で、学習者自身が、「日本語にないからゼロベースで勉強しな
いと」という意識が働き、母語の感覚を反映させず、外国語として客観的に
眺めるという心理が働くからだそうです。
なので、結論としましては、
アクセントや意味の上で英語とカタカナ語がズレているものは
(2)のカテゴリーに入り、学習者の理解・定着を阻みやすいものになります。
解決策は地道に勉強するしかないのですが、
間違えやすいものをある程度頭に入れておくだけも、何に注意すればいいのかを
自分で把握できるため、学習の促進には役に立つはずです。
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