英語が難しいと感じる要因(単語・熟語・文法)

以前の記事で英文解釈の効用を説いたことがありますが、

生徒と話しているうちに、単語・熟語・文法などの暗記エリアについても、

難しいと感じさせる要因があるのではないか。そしてその要因は、

ある程度多くの生徒が感じている物なのではないか。

そんな気がしています。

 

というわけで、今回はこの暗記要素の大きいこの3分野について書いてみます。

 

①純粋に単語が難しい

 これは誰しも思いつく難しさだと思います。

 大学受験のターゲット1900の後ろの方や、英検準1級のパス単など、

 そもそも単語が難しい、その単語の日本語の意味が難しいなど、

 一般的に「単語が難しい」と言ったときに思いつくの、この①かと思います。

 

②簡単な単語ほど使い方がたくさんある

 英語の成績が下位~中位レベルの生徒は、意外とここだったりする気がします。

  (1) 文型をまたぐ

  makeは中学1年生で習う単語ですが、高校生になると、第4文型・第5文型で

  使うことが説明されます。

  haveも中学1年生で習いますが、完了形だったり、第5文型で使ったりと、

  使い方は多く存在します。

  紛らわしいですが、この紛らわしさが樹海感につながっていくのかと感じるとき

  があります。①のタイプの単語は、意味(複数意味がある場合もありますが)を覚え

  てしまえば、次に見た時にそのまま活かせます。

 

  けれど、②(1)のような単語は、他の単語との関わり合いを見てどの使い方を

  しているかを決めないといけないため(makeが第4文型or第5文型なのかで迷った

  ら、後続の2つの要素がイコールで結べるかを確認しなければいけないため)、

  暗記したものを活かすには、他の作業(イコールで結べるかどうかの確認作業)が

  必要となります。しかも後続の2つ要素の位置に置かれている単語の意味が分かっ

  ていないと、使い方が特定できなくなります。

 

  その意味で、もしかしたら、このパターンで悩んでいる生徒は、

  動詞の使い方を覚える以上の負担感を感じるのではないでしょうか。

   (2)品詞をまたぐ

  同じつづり、発音でも、品詞が違うことがあります。

  そのような単語の中には、中学生で習う単語も数多く存在します。

 

  He runs fast.

  He is a fast runner.

 

  上は「速く」という意味の副詞で、下は「速い」という形容詞です。

  綴りは同じですが、品詞が違います。品詞を判別するには、文中でどの位置に

  置かれているかが大きな見極め方になります。

  

  manyやmuchも、形容詞・名詞の両方で使えます。

 

  日本語には同じ単語で品詞が違うということは基本的にありません。

  自分の母語にない習慣で外国語を読むというのは、意外と負担になっているのでは

  ないか。

 

  簡単な単語ほど意外と足を取られるのって、案外こういうところだったりするので

  はないでしょうか。 

 

③一つの英文に2つ以上の文法事項が絡んでいる

 AとBという2つの文法が絡んでいて、新しくAを説明して理解してもらおうとする場

 合、Bという文法事項は不自由なく定着していないと、Aを完全に理解させることは

 難しくなります。2つのことを同時に習得しないとならないため、エネルギーが分散

 されます。

 

 例えば、関係代名詞の非制限用法の例文に、以下のものがあります。

  He said nothing, which made her angry.

   彼は何も言わなかったが、そのことが彼女を怒らせた。

  →whichの前にカンマが置かれると、前の文全部を指す。

  →「彼が何も言わなかった(He said nothing)ことが、彼女を怒らせたんだよ」

   といった説明がされます。

  で、この時、非制限用法の使い方を理解して覚えるには、使役のmakeの使い方が

  わかっていて、その構文が見抜けていることがどうしても前提になります。

 

  英文解釈はこれの連続ですが、文法解説のための例文(通常は1文)にも、

  この同時処理が必要な場合があります。

  このことも、下位~中位の生徒にとっては混乱の源なのかもしれません。

 

④熟語なのかそうでないのか、あるいはどこで固まっているか

 (←英文解釈にも大きく関わってきます)

  このカテゴリーは、どちらかというと中位レベルの生徒に多い気がします。

  例えば、

   He got up to the half of the winnings.

    彼は賞金を最大で半分を手に入れた。

  解答には「up to~:①最大で~②~次第」と書かれていることが多いですが、

  躓いている生徒にとっては、

  get up(起きる)なのかな、get up to ~っていう熟語があるのかな、などということ

  考えているのではないでしょうか。

 

  この箇所で悩んでいる生徒は、「言われればわかるんですけど」「解答を読めばわ

  かるんですけど」っていうリアクションが返ってくることが多い気がします。

 

暗記分野で生徒が悩んでいることをカテゴライズしてみましたが、

結構、色々な生徒が共通して頭を抱えていることな気がします。

(あくまでも私の経験の範囲内で書いていますので、個人的な経験談にしか過ぎません

が)

 

で、カテゴライズしたのはいいですが、解決策が思いついていません(笑)。

職業上、生徒に解決策を提示しないとならないので、思いついたらまた加筆したいと

思います。

 

今日はこの辺で失礼いたしますm(__)m。