【準1級リスニング】
本来は一語一句聞き取って正解するのが理想だけど、テストである以上、テストとしての対策を取ることも必要になってくるので、以下、攻略法をまとめてみます。ご一読ください。
<どんな問題が出るか>
以下の3つの大問。
【大問1】会話の内容一致選択:12問
【大問2】文の内容一致選択:12問
【大問3】Real-Life形式の内容一致選択 :5問
<対策>
選択肢を先読みする(大問1・2は内容の予想、大問3は条件のチェック)。
英検準1級リスニング最初のポイントは選択肢の先読み。
英検準1級では、まず筆記試験(リーディング・ライティング)が行われ、筆記試験の終了時間がくると自動的にリスニング試験に進みます。
しかし、問題冊子は筆記試験もリスニング試験も全て1冊にまとまっているので、可能なら先に読んでおいた方がいいです(筆記試験で時間を余らせるのは至難の業ですが)。
で、準1級リスニングの先読みですが、大問1・2と大問3では先読みするポイントが異なります。
まず、大問1・2の先読みのポイントからお伝えします。
大問1・2の場合、本文の内容を多少、予想してしまったほうが楽です。
実際の過去問をたたき台にしてみます。
以下の選択肢を見てください。こちらは大問1の選択肢になります。
ここから、本文と質問の内容を予想します。
これらの選択肢から、どういった本文が出題されそうか、予想できますでしょうか?
選択肢の内容や、”breakup(破局)”といった単語から、カップルが別れた話であることが予想できます。
また、登場人物にも注目しておきましょう。”Sally(女性)”、”Bill(男性)”、”Mario(男性)”と、選択肢には3名の名前があります。性別も含めて、確認しておいたほうが話の内容を追いやすくなります。
大問2の先読みも同様です。選択肢を見てみましょう。
大問2では、両方の質問の選択肢を見て本文の内容を予想しましょう。
“metal”, “copper”, “tin”, “iron”といった材料名や、”mine”という単語から、材料の特徴や、採掘方法を含むナレーションであることが予想できます。
また、No.16の選択肢に”Many people moved to Mesopotamia.(多くの人がメソポタミアに移った)”があることから、歴史的過去の話であることが予想できます。
大問3の場合、「条件を確認し、下線を引いておく」こととよい。
下の選択肢を見てください。
この中から、音声を聞く際のポイントとなる条件をチェックしておきます。
以下の赤字の部分です。
Situation: You need to find an apartment by the end of this month. You want a private parking a lot. A real estate agent leaves the following voice mail.(状況:あなたは今月の終わりまでにアパートを見つける必要があります。あなたは個人用の駐車場が欲しいと思っています。不動産業者が次の留守電を残しました。)
つまり、この問題では、
① 今月の終わりまでにアパートが必要
② 個人用の駐車場が必要
この2点の条件を意識して音声を聞くことが重要なのです。
大問3では条件に合わない選択肢が必ず含まれています。
例えば、今回の問題であれば、「個人用の駐車場はあるが、今月の終わりまでには借りれないアパート」や「今月の終わりまでに借りられるが、個人用の駐車場がないアパート」などが選択肢に含まれているでしょう。
ですから、聞くべきポイントを正確に押さえるために、選択肢を先読みして、条件をチェックしておけばいいのです。
実際に先読みをするときは、ポイントになりそうな条件に下線を引いておきましょう。
そうすれば、実際に音声を聞く時に、問題用紙を見ればすぐに意識すべき条件を思い出せます。
ちなみに、大問3の選択肢は今回の問題のように固有名詞(”White Road”や”Clay Street”など)が多いです。こういった固有名詞の先読みはそこまで重要ではないので、選択肢の先読みは後回しにしましょう。
他の先読みが終わって、まだリスニング試験開始までに時間があれば、こういった固有名詞も一応、先読みしておきましょう。
② 全大問共通|音声を聞くときは和訳するのではなく、内容をイメージする
ポイントの2つ目は、準1級リスニング全ての問題に共通するコツになります。
あなたはリスニングの音声を聞いているとき、頭の中で何を考えているでしょうか?
準1級リスニングでは、音声は一度しか流れません。そして、準1級リスニングともなると、これまで見たきたように、音声で流れる英文も長くなり、また、音声スピードも速いです。
この人は、リスニングをしながら和訳し、日本語で内容を考えてしまっています。その結果、音声についていけなくなってしまっているのです。
ポイントは、「和訳するのではなく、内容をイメージすること」です。
要するに、ミクロ的なところまで追うのではなく、あくまでもマクロ的なところを捉えられるようにする。
英検準1級リスニングでは、詳細な内容まで問われることはありません。
「和訳をせずに内容を直接イメージして、意味を掴む」
→よく聞くフレーズだけど、この内容は、読解のスピードと連動しています。
日本語を介さずに処理できる読み(つまりは直読直解)とリスニング(聞いた音声を瞬時に処理)が性質的に似通っているということは、想像しやすいかと思う。
大問3|条件を頭に入れて、消去法で選択肢を消しながら音声を聞く
最後のポイントは大問3を聞くときのコツです。
大問3はコツ①で、「先読みでポイントとなる条件に下線を引く」とお伝えしました。
ですので、音声を聞く際、問題用紙は以下のようになっているはずです。
さて、大問3の音声が始まるまでには10秒間あります。まずこの10秒間で、条件を頭に刷り込みます。
この問題であれば、
① 今月の終わりまでにアパートが必要
② 個人用の駐車場が必要
という条件を何度も心の中で唱え、頭の中に刷り込みます。
そして、音声を聞きます。
音声を聞くときのポイントは、消去法で選択肢を除外していくことです。
この問題であれば、「今月の終わりまでに借りられないアパート」もしくは「個人用の駐車場がないアパート」を選択肢から消去していきます。
このように、
① 選択肢が聞こえたら、その番号の左下隅に鉛筆をあてる
② 条件に合わない内容が聞こえたら、番号に斜線を引き、消去する(条件に合わない内容が聞こえなかったら、そのまま)
③ 次の選択肢が聞こえたら、その番号の左下隅に鉛筆をあてる
④ 条件に合わない内容が聞こえたら、番号に斜線を引き、消去する(条件に合わない内容が聞こえなかったら、そのまま)
⑤ ・・・(繰り返し)
というやり方で、実際に鉛筆で選択肢を消去していきます。そうすれば、正解ではない選択肢を確実に除外できます。
しかし、選択肢にばかり集中していると音声を聞き逃してしまうこともあるので、この点には注意が必要です。
【最後に】正解がわからなくても粘りすぎないように!
これはリスニング全体に言えることかと思うけど、「諦めが肝心」ということです。
英検準1級受験者の中で、準1級リスニングの音声を100%、完璧に聞き取れる受験者はまずいません。(もしそうであれば、その人は準1級でなく、1級を受けるべきです。)
ですので、音声を聞き取れない場合ももちろんあります。あって当然です。で、ここで焦ってはいけません。正解がわからない問題で粘りすぎて、次の問題も間違えるのは控えましょう。