文学部の英語の長文は他の学部に比べて、
必ずと言っていいほど小説が出されます。
小説は論説文と違い、少しコツが必要になってきます。
通常の参考書の文法やオーソドックスな構文の理解で読み進められる部分もあります
が、小説文独特の文体が目白押しになります。
もちろん市販の参考書である程度のコントロールは効きますが、
そうではない箇所は、必ず小説としての学習をした方が精度は上がります。
<小説文特有のもの>
①時制に注意
小説は基本的には過去時制がベースです(物語の舞台が時制的には過去なので、
当然と言えば当然です)。
・小説で現在形が出てきたら、「歴史的現在」という文章技巧。
・過去の出来事を時系列にすると、前後関係が生じ、過去完了を目にする頻度が論説
文よりも多い。
・さらに過去完了にも注意。
形の上では過去完了でも、過去完了が使われる可能性は3つ。
→大過去用法(出来事を時系列にしてより以前の出来事を指す用法)
→現在完了の過去形。単に、現在完了を過去にしただけ(つまりは時系列を意識して
いるわけではない)。
→仮定法過去完了。
つまりは、形は同じでも、どの意味で使っているかをつぶさに確かめていく必要があ
ります。
②話法&代名詞
会話のシーンでは、直接話法が多く出てきます。
直接話法とは、日本語で言う鍵括弧で表される表記のことです。
で、誰が誰に言ったかは、最初の表記こそ具体的な人名でなされますが、
2回目以降は代名詞になります。性別が同じ人が登場人物に何人も出てくる場合、
代名詞を一回一回、具体的に指示する単語に戻していった方が情報が整理されます。
③文体面
カンマや挿入が多い。論説文ではそこまでカンマを打たないです。
VとOの間にカンマが打たれていることが数知れず。
というわけで、文学部を受験するには、あるいは受験させるには、
英語長文で小説を読ませておかないと、アドリブが効きにくくなります。
私も受験生で文学部志望の生徒には、
直前期は小説しか扱いませんでした。
夏休みなどのまだ時間のある時期は、以下のような物語や小説の英文を多く扱っている
参考書を読ませてもいいかもしれないです。
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