『英文法 再入門』

中学生・高校生だけではなく、

社会人の人にも英語の授業をしています。

医療に携わっている方で、医療系の大学院に進学希望をしており、

その大学院入試の英語の対策です。

 

その大学院入試の試験が「辞書持ち込み可」だからではあるのですが、

辞書の使い方をレクチャーしたほうが能率が上がります。

 

(上記のような条件ではありますが)

完璧な答案を書くのであれば、単語を覚えるのが最適解ではありません。

 

もちろん、単語をある程度覚えていないと読むスピードが落ちますので、

単語量は最低限必要です。

けれど、試験にどのような単語が出るかは当日にならないとわからないわけで、

その意味では、問題集の単語をくまなく覚えるより、

辞書の使い方をマスターしたほうが完璧な答案が書けます。

(辞書持ち込み可なのですから)

 

辞書を使いこなすには、やっぱり大学受験の時の文法が効果を持ちます。

「自動詞・他動詞の区別」と「5文型」に関する素養が絶対不可欠です。

というか、単に知識として覚えさせられるから、

その活用の仕方を認識していない人が多いのではないか。

そんな結論に至っています。

 

(1)

 自動詞(目的語をとらない)⇔受動態にならない

 他動詞(目的語をとる)⇔受動態になる

 →受身形で過去分詞の後ろに名詞がある⇔元の文は第4文型か第5文型

 →受身形で過去分詞の後ろに形容詞がある⇔元の文は第5文型

 

leaveやmakeなど、意味がたくさんあるものは、全部確認していったらキリがないで

す。ならば、まずは構文を固定して、その上で最初からその形に当てはまる用法だけ

探した方が効率がいいです。文型は絶対に決まっていて、そこは外しようのない知識な

ので、それを踏まえたうえでなら、決め打ちみたいな探し方をしても外しません。

 

(2) 

 名詞を修飾するのは形容詞

 動詞・副詞・形容詞を修飾するのは形容詞

 

 辞書を調べるのに必要な基礎知識は、多分これらです。

 

日本語で品詞を変えるときには、語形変化が生じます。

美しい→美しさ、易しい→易しさ、など。

 

けれども英語では同じ単語が違う品詞を兼ねます。

 He runs fast. (fastは副詞)

 He is a fast runnner. (fast は形容詞)

 辞書を調べるとき、最初に品詞を固定して、その品詞における意味だけを調べれば

 いいのです。

 

同じつづりの単語の品詞を一つ一つ考えながら文章を読むということは、

日本語ではない習慣です。

母語にない習慣でもって外国語を読まなければいけないというのは

英語学習の上で、意外と小さくない負担になります。

 

ならば、「英語学習は難しい」という現実にあえて真正面から突っ込み、

「何が英語学習を難しくしているか」を浮かび上がらせた方が、

よほど実りのある勉強になるのではないでしょうか。

 

上記の社会人の方の例で言うなら、

母語での思考力はきちんと付いています。

ならば、とにかく単語をたくさん覚えるより、

文法事項とそれらの辞書での活かし方を学んだ方が、

完璧な答案が書けるようになります。

 

本気でそう思います。

 

(ちなみに、これはあくまで読むという技能におていです。他の技能はそれぞれの方法論

があります。また、それゆえ、「4技能をバランスよく」というのは、ある種の宣伝文

句だと思っています)

 

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