否決になって結構がっかりしていますが、
感じ取ったことも多々あります。
ちょっと長くなりました。
①【維新の会には賛成だが、都構想は反対】
これの姿勢は正直、問題ないと思います。
むしろ、このようなスタンスは健全だとすら感じます。
国でも政党でも、すべての政策や理念に合致するケースは少ないはずです。
人間は十人十色で、誰一人同じではないのだから、
「この政党には概ね賛同するが、この政策はちょっと合わない・・・」というケース
は十分あり得ます。
マスコミの論調を見ると、「この人・この政権が嫌いだからそれらを全否定する」
という姿勢が感じ取れます。社会問題は、少子化、経済、雇用、虐待など、テーマが
多岐に渡ります。全部が全部、特定の人や政党に賛同できるかと言えば、
そんなことはないはずです。評価すべき点があれば、全体としては嫌いでも、
その点だけはきちんと評価するべきです。日本に漂うある種の息苦しさや同調圧力
は、マスコミや新聞の「嫌いなものは全否定」の姿勢から来るものではないでしょう
か。
②【大阪維新の存在意義がなくなったのではないか】
反対派だった人たちの中には、このようなことをツイッターに投稿している人も
いました。維新の会は大阪の生活向上には目を見張る成果が出ています。
看板政策が倒れはしましたが、だからと言って党そのものの存在を否定するのは、
①で書いたように、ある種の排他的な態度です。
都構想は必要なかったとしても、他の政策は必要。
だからこそ、地域政党として、強い支持を受けているのではないでしょうか。
③【代表の責任の取り方】
非常に潔く、見ていてすっきりします。
そもそも維新は、都構想が実現したら自分たちの選挙区の変わるため、
議席をいくらか失います。それでもなお都構想に臨んだ姿勢を、
他の誰が今までしてきたか、あるいはこれからできようか。
話は遡りますが、2012年の参議院選。社民党の福島瑞穂が中継でこう聞かれます。
「国政に影響を及ぼし、自身が描いている政策を反映させるには、衆議院でないと不
可能ですが、ご自身は衆議院選には出ないのでしょうか」と。
福島瑞穂の回答は、「参議院には参議院の役割がありますし・・・(←全文は覚えてい
ないです。すみません)」。
正確には覚えていないですが(再びごめんなさい)、確か選挙区の関係で、
「衆議院議員としては落選するけど、参議院議員だったら当選する」という立ち位置
にいた中での質問です。この回答に、「本気でこの人、国政で政権を取る気はない
な」と視聴者に感じられ、それからというもの、この政党は小さく細々とやっていま
す。それにくらべれば、大阪維新の住民投票、ダイナミックで心躍ります。
④【住民投票が住民を分断した】
このフレーズにも、私は少々、違和感を感じます。
そもそも物事、賛成か反対のどちらかなので、どちらかを選べば本質的には分断(交わ
らない)です。あたかも住民が対立する的な物言いですが、このフレーズそのものが分
断を助長しているように思います。繰り返しますが、賛成か反対かの2者択一なのだ
から、そもそも意見は分かれます。当たり前です、全員同じ方向を向かなければなら
ない理由はありません。
⑤【他県や他市】
他の県や政令指定都市でも、都市の在り方を考えるいい機会になったと思います。
最近、他県の県知事選や市長選・町長選のニュースがヤフーに上がることが少し増えて
います。一過性ではなく、この傾向が続けばいいのにと感じます。
横浜市は都構想とは逆に、横浜市だけで独立しようとする特別自治市の構想が上がっ
ているようです。それはそれで、市の在り方としてそこの住民が選べばよく、
政治のダイナミズムを感じます。
自分たちの暮らしの在り方を自分たちで選べる。香港を見ていると、これって
本当にありがたいことなのだと思います。
ちなみに私の住んでいる県と市はしばらくは選挙がなく、少し退屈です。
見ていて感じたことは沢山ありました。