大阪都構想⑤

大阪都構想住民投票

否決になって結構がっかりしていますが、

感じ取ったことも多々あります。

ちょっと長くなりました。

 

 

①【維新の会には賛成だが、都構想は反対】

 これの姿勢は正直、問題ないと思います。

 むしろ、このようなスタンスは健全だとすら感じます。

 国でも政党でも、すべての政策や理念に合致するケースは少ないはずです。

 人間は十人十色で、誰一人同じではないのだから、

 「この政党には概ね賛同するが、この政策はちょっと合わない・・・」というケース

 は十分あり得ます。

 マスコミの論調を見ると、「この人・この政権が嫌いだからそれらを全否定する」

 という姿勢が感じ取れます。社会問題は、少子化、経済、雇用、虐待など、テーマが

 多岐に渡ります。全部が全部、特定の人や政党に賛同できるかと言えば、

 そんなことはないはずです。評価すべき点があれば、全体としては嫌いでも、

 その点だけはきちんと評価するべきです。日本に漂うある種の息苦しさや同調圧力

 は、マスコミや新聞の「嫌いなものは全否定」の姿勢から来るものではないでしょう

 か。

②【大阪維新の存在意義がなくなったのではないか】

 反対派だった人たちの中には、このようなことをツイッターに投稿している人も

 いました。維新の会は大阪の生活向上には目を見張る成果が出ています。

 看板政策が倒れはしましたが、だからと言って党そのものの存在を否定するのは、

 ①で書いたように、ある種の排他的な態度です。

 都構想は必要なかったとしても、他の政策は必要。

 だからこそ、地域政党として、強い支持を受けているのではないでしょうか。

③【代表の責任の取り方】

 非常に潔く、見ていてすっきりします。

 そもそも維新は、都構想が実現したら自分たちの選挙区の変わるため、

 議席をいくらか失います。それでもなお都構想に臨んだ姿勢を、

 他の誰が今までしてきたか、あるいはこれからできようか。

 

 話は遡りますが、2012年の参議院選社民党福島瑞穂が中継でこう聞かれます。

 「国政に影響を及ぼし、自身が描いている政策を反映させるには、衆議院でないと不

 可能ですが、ご自身は衆議院選には出ないのでしょうか」と。

 福島瑞穂の回答は、「参議院には参議院の役割がありますし・・・(←全文は覚えてい

 ないです。すみません)」。

 正確には覚えていないですが(再びごめんなさい)、確か選挙区の関係で、

 「衆議院議員としては落選するけど、参議院議員だったら当選する」という立ち位置

 にいた中での質問です。この回答に、「本気でこの人、国政で政権を取る気はない

 な」と視聴者に感じられ、それからというもの、この政党は小さく細々とやっていま

 す。それにくらべれば、大阪維新住民投票、ダイナミックで心躍ります。

④【住民投票が住民を分断した】

 このフレーズにも、私は少々、違和感を感じます。

 そもそも物事、賛成か反対のどちらかなので、どちらかを選べば本質的には分断(交わ

 らない)です。あたかも住民が対立する的な物言いですが、このフレーズそのものが分

 断を助長しているように思います。繰り返しますが、賛成か反対かの2者択一なのだ

 から、そもそも意見は分かれます。当たり前です、全員同じ方向を向かなければなら

 ない理由はありません。

⑤【他県や他市】

 他の県や政令指定都市でも、都市の在り方を考えるいい機会になったと思います。

 最近、他県の県知事選や市長選・町長選のニュースがヤフーに上がることが少し増えて

 います。一過性ではなく、この傾向が続けばいいのにと感じます。

 横浜市は都構想とは逆に、横浜市だけで独立しようとする特別自治市の構想が上がっ

 ているようです。それはそれで、市の在り方としてそこの住民が選べばよく、

 政治のダイナミズムを感じます。

 自分たちの暮らしの在り方を自分たちで選べる。香港を見ていると、これって

 本当にありがたいことなのだと思います。

 ちなみに私の住んでいる県と市はしばらくは選挙がなく、少し退屈です。

 

見ていて感じたことは沢山ありました。