この時期は毎年、原爆関連の書籍を読んで思いを馳せています。
最近ではオバマ元大統領が広島訪問の重要性を訴えていて、
少しずつ歴史認識が変わってきているのだと感じています。
「世代が変わったから」という理由も大きいかと思います。
アメリカは退役軍人の力が大きいですが、
当事者は理屈ではなく、やっぱり感情で動くものです。
インパール作戦に参加した元軍人へのNHKインタビューが印象的でした。
「インパール作戦は軍事戦略上、無意味であったというのは否定しがたい事実。
けれども、インパール作戦に動員させられ、仲間を無残に失った身としては、
あれは無意味で犬死だとは思いたくない」と答えていました。
人間は最終的には、理屈よりも感情が前に出てくるものなのでしょう。
アメリカの退役軍人たちも、おそらくは似たような感覚なのでしょう。
自分たちが命を賭して参加した戦争が、「非人間的で人類史上最悪の所業だった」と言
われるのは、やっぱりどこかで否定したいという思いがあるのでしょう。
太平洋戦争に参加した軍人たちの生き残りの数が毎年減っていき、
歴史叙述に携わる者が戦争を体験してこなかった世代の人たちに取って代わられる中、
叙述の仕方や認識の仕方に変化が起こっている。
そんな批評を読みました。
毎年同じような式典をしては「なかなか変わらないなー」と思っていましたが、
私は少しずつ変化を感じ取っています。
今年はそんなことを思った8月でした。