国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子氏が92歳でお亡くなりになり、
彼女についての記録や伝記がいくつも発売されています、
個人的には、
緒方貞子氏の経歴に対して憧憬の念を持っています。
政治学で博士号を取っていますが、
研究者としての未知ではなく、
フィールドプレーヤーとして紛争地の最前線に立つことを選んだ人です。
研究を実務の中で活かしたという点で、私はこの方の経歴を羨ましく思います。
氏も指摘していますが、
日本では研究と実務が別個にとらえられている傾向が強いです。
(ただし、「頭でっかちで実務にはいらない」という人も結構いますので、
この傾向を一概に悪いとは言いにくい部分はあります。)
けれども、
この2つを融和させた氏の力と、それを活かす場があったというのは、
やはり大きかったのだと思います。
また、
「グローバル化=英語」という図式にも警鐘を鳴らしています。
英語は単なるツールであると。
氏の著書を読んでいると体験談としてなるほどと感じさせられます。
紛争地域は大体、中東やアフリカが多いです。
これらの地域の言語は英語ではありません。
昨今、皆が好き勝手なことを言いっ放しにするケースが多いですが、
研究と実務のバランスの取れた著書として、
読んでみる価値はあると思います。