【赤本の注意点】←前提として
赤本は基本的には実力養成のための代物ではありません。
解答解説も一言で済まされていますので、
「実際に時間を測って解く」、「取れる問題を取って確実に合格ラインに達する」
などの技術的側面のため使用します。
過去問を解くことばかりに集中して今まで学習してきた問題集や参考書の復習を
疎かにすると、思っているよりも伸びが鈍化します。
それはさておき、以下では、
それぞれの大学・学部ごとの特徴をまとめました。
もちろん、私が解いた範囲の中でという条件付きですが。
①法学部(2019年~2021年)
問題が法学科と国際企業関係法学科・政治学科で問題が異なります。
下記は法学科ですが、国際企業関係法学科・政治学科の問題の傾向、レベルは
ほとんど変わりません。国際企業関係法学科と政治学科を志望する方も、
ある程度は参考になるかと思います。
大問1と大問2の完成具合が合否を左右するはずです。
大問3以降は長文、文法(穴埋め、正誤問題など)、長文で、難しいものもありますが、
難しいものは他の生徒も正解率が下がりますので、大きくは致命傷ではないはずです。
ただし、大問1(下線部和訳)と大問2(和文英訳)は差が付きます。
難易度は高くないですが、合格する生徒は絶対に固めています。
中央の法学部は法曹界を目指す人なら一度は視野に入れたことがあるはずです。
法曹界への排出率は上智(法)を上回ります。ですので、上智(法)と中央(法)なら
迷う生徒がいるくらいです。
で、中央(法)は早慶上智を受ける生徒の併願先であるのはもちろん、
国立大志望の生徒も併願してきます。おそらく、神戸大・筑波大・千葉大を第一志望にしている生徒は併願してきます。
また、(母数は多少ちいさくなるでしょうが)東大・京大・一橋を目指している生徒も、現役優先なら中央(法)を出願してきます。
国立志望の生徒は、下線部和訳や和文英訳は固めています。
中央(法)の下線部和訳や和文英訳なら、上記の国立を合格する生徒なら高い得点が出せるはずで、難易度がそこまで高くない問題のため、小さいミスは影響力が大きくなります。
私立専願の人は対策をしておいた方がよく、完成具合は満点近くを狙いたいところになります。
②総合政策(2019年~2023年)
<2019年~2021年>
分量は多いですが、時間は100分あり、全体的には普通になります。
大問1~大問4
単語や熟語補充です。単語帳に載っていないレベルのものが混じっていますが、
消去法で正解すれば問題ありません。5つ空欄があって選択肢が5つなので、
消去法をふんだんに使えば対処できます←一つ間違えると連鎖はしますが。
合っていたけど消去法で正解した(つまりはその単語・熟語を知らなかった)場合には、復習として暗記すればいいかと思います。
間違ったものを暗記するより、正解したものを暗記したほうが気分はいいです(笑)。
大問5
間違え探し。少々難しいです。5問中3問正解できれば問題ありません。
間違っている選択肢は比較的気が付きやすいものが含まれており、それらは確実に正解しましょう。
他の選択肢は正解ということになりますが、「こんな表現あるのかな」ということが気になっても、間違っている箇所が明白な場合、あまり深くは足を突っ込まないことが賢明です←この辺りは慣れも必要ですが。
大問6
文法問題。8問ありますが、6問正解でいいでしょう。
大問7
長文問題。穴埋めと内容一致。内容一致は設問と段落の順番が一致していないので、何だかんだで全文読むことになります。
大問8
長文(大問7・大問9に比べれば短めの文章)を読んで、空欄を補充していく問題。
この問題はあまり時間を掛けずにさっさと終わらせたいところです。
空欄が5つに対して選択肢も5つ。消去法はふんだんに使いましょう。
また、空欄を補充するだけなら、該当の段落だけを読めば正解できますので、
空欄がない段落は読み飛ばしても構いません。
大問9
大問7と同じ要領。
<2022年、2023年>
ここ2年間は問題の傾向がそれ以前とは少々異なります。
2021年以前の大問8が丸々なくなり、大問9がもう1題あります。
(その他の問題はほぼ同じです)
何だかんだで難易度は2021年以前と変わらないかと思います。
長文問題の穴埋め(前置詞や接続詞)は、最悪その前後文(あるいは段落)を読めば正解できますが、
内容一致問題がどの段落から飛んでくるか分からないため(設問と根拠となる段落の順番がてんでバラバラです)。
ですので、結果的に頭から全て本文を読むことになるでしょう。
総合政策学部は入試科目が英語と現代文だけなので、バクチ組も混じっています。
そのため、ボーダーは他の学部よりも多少高めで、6割後半~7割は必要になってきます。
③文学部(2019年~2021年)
全体的には平易ですが、2020年はちょっと難しいです(文法・長文共に)。
長文は分量は多いですが、試験時間が80分であることと考えると、
おしなべて普通というところに落ち着くかと思います。
文法は比較的簡単です。問題形式は多少特徴があるかもしれませんが、
誤差の範囲内でしょう。何回か解けば慣れます。
長文は傾向らしい傾向は、「長い」という点だけです。
2021年はリサーチの研究発表、2020年は小説(ちょっと難しい)、2019年は論説文です。
個人的には、2019年の長文は他の大学や学部で出題される内容の長文だと思います。
テロについての長文で、内容は少々観念論ですが、このくらいの観念論ならやり込んでも損はありません。
この年の長文だけ下線部和訳がありますが、この下線部和訳、国立の香りがします。
(重要な文法事項が2つ絡んでいます)
蛇足ですが、千葉大を第一志望にするなら、この2019年の中央大(文)の長文をやることを推奨します。
2017年の千葉大で似たようなテーマ(千葉大は「テロ・戦争・紛争」というテーマで、中央(文)より内容は広いですが)の長文が出題されています。
単語帳などではあまり見かけないけど戦争系の話だと当たり前の単語や熟語(pose a threat on~、warfare,などなど)を結構見かけました。
2019年の長文の中に出てきた知らない単語は全て覚えてしまえば潰しが効きます。